『選択と捨象』を読んで

企業経営の本質として、共同体の基本原理を理解し(OC)、特徴を活かしながら(SP)、外部の環境と折り合いをつけていくことが挙げられるとしていた。今後、技術革新のスピードは加速度的に上がっていくであろうし、外部環境を分析することはより重要になってくると考える。

 

地方の企業の再生を主な業務として行っている経営競争基盤の経営者である冨山和彦さんの地方に対する記述は面白い。地方の再生というと、ブランド米やご当地B級グルメが浮かんでしまう私だが、実は農業は地方でもマイナーな産業であり、農業就業者が東京・名古屋・大阪以外の地域で占める割合は4~5%程度ということだ。地方の大半において、農業よりも医療や介護、保育といった社会福祉サービス業の就業社の方がおおいということである。したがって、地方の基幹産業は農業であるというのは間違いであるということである。

 

・保有効果にも関連してくると思うが、

人は持続的成長可能性を甘く見積もる傾向があると考える。というのも、バブル期に現状儲かっているからという理由で、旅館を拡張した旅館オーナー、とうてい採算のとれなさそうな鉄道路線を開通した交通会社経営陣など多くの例をみるから。保有効果、自分の事柄にたいする楽観視という人間の本能に打ち克つためにも、現在と将来のニーズの予測を合理的にやることが重要であると考える。自社の強みから、ニーズを真剣に分析しないで戦略を策定した例として三井鉱山の遊園地等紹介されていたが面白かった。

 

 

良きリーダーシップとは

合理と情理をうまく使い分けることができるということ。

戦略の策定、検証などにおいては徹底的に合理的に、コミュニケーションにおいては情理的にならなければならない。相反することを上手く解を見つけてやらなければならない。

 

人が成長するのは圧倒的に人が修羅場にいるとき。人の修羅場を聞けばその人がどれほどの人間か以外と分かるのではないか。

 

 

 

『仮想通貨革命』(野口悠紀雄著)を読んで

早稲田大学野口悠紀雄教授の著書『仮想通貨革命』は、仮想通貨の概要を理解するのに最適な書籍といえるのではないだろうか。いかにも挑戦的なタイトルとは打って変わって、内容は現実に即していて、仮想通貨とは何か、現状どうなっているか、社会にどのような変化をもたらすのかという3点について分かりやく著書の意見を交えて解説されていた。

 

まず本を読んで驚いたのは、仮想通貨というとビットコインのことだと思っていたのだが、ビットコインは仮想通貨のひとつに過ぎず、ライトコインやカラーコインなど仮想通貨には様々な種類があるということだった。

 

仮想通貨が社会に与える影響について非常に興味がありこの本を手にとってみたわけで、仮想通貨革命と題名を打っているのだから、著者の主張はビットコインが今ある貨幣を置き換えるといったようなものだと推察した。しかし、著者は現状そこまでドラスティックな変革は起こらないと考えていて、現段階では国際送金など一部の法定貨幣の不便を解消してくれるものとして機能すると述べていた。

 

現在留学している身として、現状の国際送金の不便はつくづく感じている。一般的な、コルレスバンク(国際送金にあたり中央銀行のように銀行の間にたって決済をする銀行。)を経由した送金だと一回の送金で手数料が6000円以上(日本-アメリカ)かかってしまうし、マネーグラム等の格安送金手段は1000円程度で送金可能だが、窓口で受け取る必要(窓口の数少ない)があり、非常に不便である。

 

こうした現状の国際送金をインターネットをとおして素早く簡単にできるビットコインはそれだけでも普及した場合の影響は大きいと感じた。

 

ビットコインとは何かという質問への端的な回答は、著書より引用すると

 「一つの電子コインは、連続するデジタル署名のチェーンと定義されている」

 である。すなわち、電子コインとはその過去と現在の所有者の署名のリストである。

 

ビットコインの基本的な特徴は、以下の二つである。

1.金などの実物資産の裏付けがない

2.政府・中央銀行や特例の発行会社などの信頼性のある主体が発行・管理していない

 

電子マネーと仮想通貨の比較をしている章において、おもしろい記述があった。交通会社によるスイカなどの電子マネーの導入は、利用者の利便性の向上だけでなく、交通会社にとっても様々なメリットがあったということである。利用者の移動履歴のデータ等の入手が可能になっただけでなく、改札機のメンテナンス費用が大幅に削減されたとのことだ。そういえば昔よく磁気の切符が改札機に詰まったりして、メンテナンス業者の人が改札機を整備していたが、最近はめっきりそういった光景を見なくなった。

 

・マネタリーベースとマネーストックの対比

マネーストックは、市中に出回っている通貨。

 

異次元金融緩和政策自体は、マネーストックを増やしインフレを加速するという良い面もあるが、金融危機時の対応策がなくなってしまうため危険。

 

・仮想通貨と電子マネーの対比

電子マネーは一度使うと発行元に戻る仕組みなのに対し、仮想通貨は所有権を移転できる。そのため電子マネーに比べて、仮想通貨は運営コストが抑えられる。

 

国債の貨幣化について

マネーストックを増やしている理由は、インフレを加速するという名目で行われているが、実は国債中央銀行に買わして財源を確保するのが本当の目的なのではないかという主張。

 

 メモ

アダム・スミスのいう知性による社会の形成とは。

 

 

 

 

野矢茂樹教授の論理トレーニング100題を読んで

「君はいつも感情的で話にならないよ。」

 

「どこをどう解釈したら、そんな結論になるの?」

 

このようなショッキングな言葉を、あなたは同僚や友達に言われてしまったことはないだろうか。

 

むろん私はしょっちゅうあるし、原因は明らかに私の論理力の欠如である。

 

これ以上傷つきたくない。人間扱いされたい。という思いで、論理力を鍛えようと私は決心した。

 

決心したからには行動を起こさないとと思い、ひとまず論理学の入門書として野矢茂樹教授の『論理トレーニング100題』を読んでみることにした。

 

第3章

ある法則を現実の事象にあてはめて、結果を予想することを論証と言い、論証は演繹または推測に分けられる。演繹される結果は確実に正しく、結果が間違っていた場合は法則が間違っているということになる。それに対して推測される結果は、ある程度の確度で正しいということにとどまる。つまり、法則から導き出される確実な因果関係を演繹、ある程度の確度の因果関係を推測という。

 

第4章

 

001

ブログを始めます。

 

これから不特定多数の人に向けて文章を発信することになる訳ですが、文章を書く上で心得たいのは対話の精神です。

 

できるだけ意見や感想の押し売りではなく、対話の余地のある文章にしていきたいと思っております。

 

ブログタイトルは「ひとり企画室」です。

 

ブログを書くに至った経緯は、30代で企業戦略の策定に関わりたいと思っていまして、その目標に向けた修業の一貫として思考を言語化しようと思ったからです。

 

ブログの内容は、書評が中心になってくると思います。

 

どうぞよろしくお願いします。