『選択と捨象』を読んで

企業経営の本質として、共同体の基本原理を理解し(OC)、特徴を活かしながら(SP)、外部の環境と折り合いをつけていくことが挙げられるとしていた。今後、技術革新のスピードは加速度的に上がっていくであろうし、外部環境を分析することはより重要になってくると考える。

 

地方の企業の再生を主な業務として行っている経営競争基盤の経営者である冨山和彦さんの地方に対する記述は面白い。地方の再生というと、ブランド米やご当地B級グルメが浮かんでしまう私だが、実は農業は地方でもマイナーな産業であり、農業就業者が東京・名古屋・大阪以外の地域で占める割合は4~5%程度ということだ。地方の大半において、農業よりも医療や介護、保育といった社会福祉サービス業の就業社の方がおおいということである。したがって、地方の基幹産業は農業であるというのは間違いであるということである。

 

・保有効果にも関連してくると思うが、

人は持続的成長可能性を甘く見積もる傾向があると考える。というのも、バブル期に現状儲かっているからという理由で、旅館を拡張した旅館オーナー、とうてい採算のとれなさそうな鉄道路線を開通した交通会社経営陣など多くの例をみるから。保有効果、自分の事柄にたいする楽観視という人間の本能に打ち克つためにも、現在と将来のニーズの予測を合理的にやることが重要であると考える。自社の強みから、ニーズを真剣に分析しないで戦略を策定した例として三井鉱山の遊園地等紹介されていたが面白かった。

 

 

良きリーダーシップとは

合理と情理をうまく使い分けることができるということ。

戦略の策定、検証などにおいては徹底的に合理的に、コミュニケーションにおいては情理的にならなければならない。相反することを上手く解を見つけてやらなければならない。

 

人が成長するのは圧倒的に人が修羅場にいるとき。人の修羅場を聞けばその人がどれほどの人間か以外と分かるのではないか。